絶対にあなたも闇堕ちする!《ダークパターン②》#110
知らず知らず、あなたは“ダークサイド”に堕ちているかもしれない。それが「ダークパターン」。ユーザーの無意識を突き、気づかぬうちに“選ばせる”設計。「そんなこと、自分はやらない」と思ったあなた。実はそれ、すでに片足を踏み入れている証かもしれません。
なぜ善良なマーケターが闇に染まるのか?そこにはビジネス構造のインセンティブと、“成功”という甘美な報酬があるのです。
光を信じる者たちは、いかにしてダークサイドとの共存を図るべきか?マーケティングにおける倫理と成果のバランス。その狭間で私たちはどう戦えばよいのか?
闇に堕ちぬために、今こそ学びを――。May the ethics be with you.
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おはようございます。人間広告者、開店します。さて、今回も引き続きダークパターンについて解説したいと思います。はい、念のため復習ですけれども、ダークパターンって何でしたか?ユーザーを騙して購入させるための仕掛け。そうですね。騙して購入させたり、登録させたり、意図しない行動を実行させるまあ、特にウェブサイトとかアプリで使われているトリックのことでしたね。はい。で、前回はダークパターンの七つの種類のうち、こっそり緊急性誘導の三つを解説しました。
はい、特に誘導は厚かったと思います。で、まだ聞いてない方は前半からお聞きいただければと思います。さて、4つ目に行きます。次は社会的証明です。急に。なんか難しい言葉になりましたね。簡単です。これは簡単に言いますと、大勢の下した判断の方が正しいだろうという心理を利用したダークパターンなんですよ。うん。ちなみに背景にある心理はバンドワゴン効果と言います。バンドワゴンとは、パレードの先頭を走ってみんなを誘導する車のことですよ。
例えばアマゾンのレビューです。レビュー件数の多さや量の多さを参考にする人は多いと思います。はい。もちろんアマゾンさん自身は不正をしてないと思いますけども、出品している中間流通とか、メーカーが操作をしている可能性、大いにありますよね。お金を払って誰かに書かせたり、はい、購入者へ割引と引き換えに書かせたりすることありますよね。覚えありますよ。ね。これはありますね。多いかな。あれ?もうね、本当名。前出しちゃダメ。
う。ん。まあ、ピーが入ります。今のは。はい。で、こちらも実はあのサクラチェッカーという有名なツールがありますのでお試しください。あのレビューの怪しい商品を見つけることができます。で、出所不明のお客様の声とか聞いたこともない医者の推薦とか聞いたこともないなんとか賞受賞などもこの類のものですよね。はい。本当にそういう人がいるのかどうか懐疑的になった方が良いと思います。ちなみに、世界の名だたるイーシーサイトのレビューでは、平均 4% がやらせレビューだそうです。
うん。あ。でも意外に少ない。ですか。4パー。セントですよ。4% ですよ。少なくないですか?そう思います。はい。じゃあもうあなたはダークパター?ンの住人だ。四。つ目、4つ目は希少性です。これは文字通りですね。リアリティということです。少ないものに価値を感じるということですね。在庫残りわずかとか、残りあと 5個、そういうものをゲージで見せるサイトを見たことがありますよ。ね、あります。あれは本当に実態を表しているんでしょうか?
もしかしたら、実は豊富な在庫があるかもしれません。実は希少性は社会的証明や緊急性など、先ほど説明したものより強力であることがわかってます。この裏にある心理は損失回避バイアスです。1万円を得る喜びよりも、1万円を失う痛みの方が 2倍も大きいというあれですよ。ファストアンドスローに乗ってる有名な事例ですね。行動経済学でこれ、プロスペクト理論として知られています。面白いところでは招待制のソーシャルメディアなどもこの類の一つですね。
うん。一般公開ではなく、知人からのツテで買いになれるのですから、特別感がありますよね。うん、そういうファーを受けないわけにいかないですよね。うん、最近ではミクシーツーがこの手法を取りましたね。で、その前は同様の手法を取ったクラブハウスってものがありましたけ。ど。懐かしいですね。どこへ行ったんでしょうね。一瞬でしたね。本当、一瞬でしたね。あんな一瞬のアプリなんて珍しいですよね。逆。に、うん。でも一瞬ですごい盛り上がりましたね。
本。当に。ちなみにジーメールも最初は招待制だったんです。よあ、そうなんですか。そうです、そうです。もちろんダークパターンではないですけれども、同じ心理効果を使っています。うん、次、6つ目に行きます。6つ目は妨害ですね。いわゆるサービスへの加入は簡単なのに、解約はやたら煩雑というやつですね。うん。これは日本では令和三年に法律で禁止されたんですけれども、まだ駆逐されたとまでは言い切れません。典型的な例は、一番最初の例でも示したように、加入はサイトでできるのに、解約は電話でしかできないというもんですね。
で、先週の冒頭の例で示したのは、しかも平日の営業時間しか電話を受け付けないで、かなり悪意がありますよね。ただ、これはですね、実際にウォールストリートジャーナル日本版のサブスクリプションが行った妨害行為なんですよ。もちろん今では改善されています。で、さらに最悪のパターンは、専門オペレーターからの折り返し電話を予約しなければならないというパターンです。で、その電話に運良く出れたとしても、オペレーターからはなんとか解約させまいとするセールストークを待ってるわけです。
もっと安いプランに切り替えませんか?お得なインセンティブがござい。ます。よ。みたいなねことですね。で、ちなみに、アマゾンプライムの会員制度も解約が煩雑だとして、過去にノルウェーで訴えられたことがあるそうです。で、企業がこういう妨害行為を行う最大の理由っていうのは、ltb ライフタイムバリューつまり、顧客生涯価値こそがサービスの最も重要な KPI になっていることが多いからですね。ltb というのは、顧客がその企業にどれだけ継続的にお金を落としてくれるかという価値のことですね。
で、KPI っていうのは、ビジネスの進捗を確認するために設けられた中間指標のことですね。ちなみに、この妨害モデルはローチモデルと呼ばれています。ローチって英語ですか?日本語ですか?英語です。ええ日。本語を直しましょうか。はい、ゴキブリホイホイです。ああ、コクローチのローチなんですね。そうです。さて、最後の 7つ目矯正です。これもとてもよく見かけますね。Web を記事を読んでいたり、Web サービスを使っていたら途中でグレーアウトし、これ以上進む場合は会員登録が必要になるというあれですよ。
この会員登録は無料であることが多いです。なぜなら、企業が欲しいのは個人情報だからです。うん、個人情報さえ取れれば、その後にセールスを行うことが可能になるわけですね。で、変則的な事例としては、無料トライアル期間が終了したことをあえて通知せずに強制的に継続させるという解約忘れという手法もあります。無料トライアルなのにクレジットカードの登録を強制されるサービスは、ほぼこの解約忘れを狙っていると考えた方がいいでしょう。
ちなみに僕は無料トライアル大好き人間なんですよ。なんでも無料トライアルしちゃうんですが、無料期間終了日をちゃんとアウトルックでスケジュールで管理して、きっちりと無料期間で一旦終わらせること。を心がけております。私も前日で。入れますですよね。そう。まあ、もちろん良いサービスは継続しますよ。以上、ダークパターンの七つの手法を説明してきました。どれもが一度は遭遇したことがあるんじゃないでしょうか。ありました。
ありまして、苦々しい記憶が蘇りまして不快です。不快にさせる意図はなかったさて、ここからは何でネットの世界でこんなにダークパターンが横行するようになったのか、その先に何が待っているのか、どう対処すればいいのか、ということを考えていきましょう。はい。まず、このシリーズの冒頭で言ったように。アナログの商売でもダークパターンだったと思われるものはすでに存在していたわけですよ。先ほど言った十年閉店しない閉店セール大勢で囲い込んで絵画を売りつける手法などは令和の世でも存在してますよね。
うん。しかし、商売の中心地がネットに移った時に、加速度的にダークパターンが増加しました。その理由って何だと思いますか?どこにいても。うん、誰でも同じ場所にアクセスできるから。ああ。はいはいはい。っていうのはどうでしょう。ちょっと意味はわからなかったのに、うんうんって言っちゃいましたけ。どあ、本当ですか?いや、なんか閉店セールとかって、そのエリアにいる人にしか触れられないじゃないですか。えっと、日本全国のお客さんを集約できるからっていうんですか。
ああ、なるほどですね。それはあると思います。理由二つ考えているんですが、その一つ目にちょっと近い話ですね。それは、うん。僕が思うにですね。一つはお客さんの顔が見えなくなったことなんです。よ。対面式の販売では、人は人を騙すことにちょっとやっぱり躊躇が生まれますよね。うん。でも不特定多数を相手にするのであれば、嘘をつくことに躊躇がなくなります。うん。そして 2つ目が最大の理由になるんですけれども、それはデジタルの世界では、顧客は単なる数値データとなり、統計の対象となるからなんですよ。
うん。この話を聞くと、突然他人事ではなくなりますよね。デジタルの世界では、AB テストとか pdca サイクルが比較的簡単に回せてしまうわけですね。うん、ここでは特に AB テストを取り上げましょう。pdca はアナログでも回せるんですけれども、AB テストはほぼデジタルに特化した方法ですよね。はい。AB テスト解説可能ですか?二つの選択肢を与えて、どちらの方が望ましいかを調査する。そうですね。あの、まさに実施をしながら調査をするような手法で、二つの異なる広告のバージョン、仮にまあ a と B としましょう。
それを出向して比較して、どちらの方が良いパフォーマンスを生むのかを検証する実験的な手法ですね。例えば、サイト訪問を KPI まあつまり目標達成に向けた中間仕様ですねにした場合。表示形態やデザインの異なる複数のバナー広告を制作して、最も成績の良かったものの表示回数を徐々に増やしていくというような手法ですよね。でも、これをやっているとどうなりますか?記事を読もうとすると、画面全体にベターって貼られて、どうすれば消せるのかよくわからず、意図的にクリックしてしまうような、あの腹立つバナー広告が必然的に数字上は最も成績が高くなりますよね。
うん。あるいは、サブスクの解約率のことをチャーンレートって言うんですけれども、これをいかに下げるかということに KPI を置いた場合、あっさりキャンセルボタンを押させるよりも、本当にいいんですか?損しますよというメッセージを送ったり、あるいは解約は電話しか受け付けないという手法に行きついてきますよね。そちらの方が数字上はチャンレートが低くなりますから、ここから言えることは、まず誰も最初から人を騙してやろうなどという詐欺的な考えを持っ。
て。な。いということですよ数字をかけていったら、いつのまにかダークパターンにはまっていってしまっているということ。なんです?うん。個人がどんなに素晴らしい倫理観を持ち合わせていたとしても、はまってしまうというのがダークパターンの怖いところなんですね。だから他人事ではないわけです。うん、マーケッターや広告パーソンであれば、多かれ少なかれ似たような思考に陥ったことがあるんじゃないかなというふうに思います。
まあ、いかに企業が崇高な理念、例えばお客様第一主義を掲げていても。マーケティングをミクロな視点で分解していくと、その理念に反することをやっている会社っていうのは残念ながらたくさんあります。で、そうなってしまう元凶がまさに KPI なんですよ。本来、より良い顧客体験を提供し、その対価として売り上げを負っていたはずなのに、デジタルによって数字が可視化できるようになった今、目の前の数字だけを追うことが目的になる場合が横行しているわけですね。
文字通り、手段の目的化ですよね。しかも、オンラインでの購買の流れっていうのは、複数のステップに分解できますよね。例えばサイトへの誘導、ページの滞在時間、それから会員化できるかどうか。メルマガ登録、顧客単価、リピート率みたいなことですね。最終目的に向かう中間にあるこれらの関門のことをマイクロコンバージョンというんですが。それらごとに KPI を設定すれば、当然ですけど、担当者は一つ一つ数字をクリアしようと必死になりますよね。
うん。大きな目的を忘れて、目の前のこの細かい数字の奴隷になっていくというわけです。で、人は数字を見ているから罪悪感も薄くなっているということですね。しかも、このようなことを続けていると、当然ですけれども、顧客の体験価値を毀損して顧客が離れていくリスクも負います。うん。まあ、要するに、短期的には成功しても、中長期的に継続性のあるビジネスではなくなってしまう可能性があるということですよね。また、短期的にもカスタマーサポートでの問い合わせが増えてしまう面倒くささがあったり、返品率が増えたり、ネガティブなレビューが増加したり、あとは従業員の離職率が高まったり。
下手をすると訴訟のリスクもあるというわけですね。そのトレードオフを天秤にかけてまでダークパターンを優先してしまう企業は、言ってみれば焼。畑。農業してるわけですよ。うんつまり、新規顧客をちぎっては投げ、ちぎっては投げを繰り返して、コンバージョンが限りなくゼロに近づいたところで、また違うビジネスへシフトしていくということですね。よって、これはもう法律で規制する必要性があるわけですけれども、今のところ日本の動きは他国に比べて非常に鈍いです。
うん、これはダークパターンが単なるマーケティングなのか、顧客を騙しているのかというグラデーションだからなんですね。それに、サイトを見ても判滅しにくいところがあるので、まあ国としてはちょっと慎重になってしまうというのが理由ですね。例えば、さっきの残り 5個お急いくださいというメッセージは、実態を表していないならダークパターンですが、例えば交付に在庫あるんですけど、すぐに発送できる状態なのは本当に 5個かもしれませんよね。
これは証明のしようがありません。うん、むしろ消費者の意思決定をサポートするためのメッセージとすら言えてしまうかもしれないわ。け。ですよね。ただ、現実的には、ダークパターンのパターンは徐々に消費者に見破られつつあるのが現状です。これは先ほど言ったヤコブの法則によるものですね。こう来たらこうっていう規則性をユーザーが学ぶ法則のことでしたよね。で、何度か同じ失敗をしたユーザーはダークパターンをすぐ見破ってしまうわけですよ。
つまり、狼少年化してるってことですね。すると、いずれダークパターンを使うビジネスは最初から相手にされなくなる未来が待っているんじゃないかと思い。ますよね。もちろん今すぐではないと思います。今はまだ焼畑農法が続いてますから、まあ、こういうラジオなどでのメディアの啓蒙が必要かなというふうに思っています。ただ、こういう状況にいち早く気づいて逆張りをした企業がいくつかあるんですよ。まあ、先ほど名前を出したアップルとかエアビーとか、もちろんその一つなんですけれども。
逆張りの代名詞はなんといってもネットフリックスです。うんうん、ネットフリックスはアンチダークパターンなんですよ。ユーザー体験を向上させることに極めてストイックに取り組んでいる企業なんですね。ユーザーの好みをラーニングして、特定のアルゴリズムによって作品をレコメンしたり、サムネイルを変えるといったパーソナライズは有名ですけども、実はそれだけではないんです。例えば、大会はワンクリックで完了します。大会の理由を聞かれるような煩わしいアンケートもありません。
なおかつ、会員情報は十ヶ月保存してくれるので、いつでも戻ってこれます。メルマガを強制することもありません。彼らはユーザーや体験がすべてだと信じているので、悪い印象を残さないように細心の注意を払ってるんですね。逆に言えば、ネットフリックスのコンテンツってめちゃくちゃ強いので、面白い作品があればまた戻ってきてくれることも信じているということです。で、さらに一年間利用がなく課金だけを続けているユーザーに対して、通知の上で自動で退会してもらう仕組みさえあります。
もちろん、無料体験期間から有料期間への移行のタイミングでもリマインドメールを送ります。今では最も信頼できる企業という調査で必ず上位に食い込む企業になっています。つまり、この誠実な対応が逆にブランド価値を高めていって、他社を圧倒する動画配信サービスとして成長してるわけですね。ダークパターンを駆使した焼畑農法とは全く逆の方向で、まあ莫大な時価総額を達成しているというわけです。じゃあ、ダークパターンに陥らないようにするためにはどうすればいいのか。
それはざっくり言えば、事業の将来的な成長に影響を与える目標を設定することなんですね。KPI も KGI もキャンペーン単位、例えば長くても一年単位で設定してしまうことが多いと思うんですけれども、もっと三年、五年という長期的な視野で有効な数値目標を設定すればいいわけですね。著者はこれをノーススターメトリックと呼んでます。こうすれば短期的に KPI 達成できても、長期的に見れば企業が損をするマーケティングができないですよね。
例えば、スポティファイのノーススターメトリックは音楽の総再生時間なんですよ。これを遵守するのであれば、高いプランをデフォルトで設定したり、無料期間の終了時にアラートを出さないことは、お客様の信頼を失って、かえって目標を遠ざけてしまう可能性があるということですよね。あとはシステムエラーを絶対に起こさないこととか、検索や再生のタイムラグをどれだけ短くできるかといった技術も磨いていくことになりますよね。
はい。まあ、つまり、常に新規の顧客を獲得し、聞き続けてもらい、離脱をさせないための体験工場の維持向上が大命題になりますので、ダークパターンなど、スポティファイにとってはもってのほかになるわけですよ。うん。なんかこういうサービスって。競合で類似サービスがあるじゃないですか。手軽に試せる。そうですね。アップルとかアマゾンとかありますね。は?い、なんでそのそれぞれをお試ししてみたときに、自分が一番やっぱ使いやすかったりとか、かかる手間が明確だったものとかを選びたいですもんね。
選びたいですね。配信されるものって、あんまり差分ないじゃないですか。はい、その通りです。それを業界では ux というんですね。はい、じゃあ。まあ、そうは言ってもですよ。この三年、五年みたいな中長期目標はあるとしても、じゃあ短期 KPI、どういうふうに考えればいいんでしょうかということなんですけど、この時の大きなヒントがカウンターメトリックという考え方なんですよ。例えばメルマガ開封率を KPI にするなら、同時にメルマガ解除率も見るということです。
で、広告のクリック数を KPI にするなら、その先のコンバージョン率も見るということなんですよ。つまり、ある指標がある指標とのトレードオフになっていないかということを確認して、顧客への提供価値を毀損していないかを確認していくという作業ですね。まあ、つまり、部分最適と全体最適の視点を常に同時に持っていることが大事だということです。さて、ダークパターンの説明については以上になります。で、最も伝えたかったこととしては、ほとんどの場合、意図して人を騙そうなどと思ってないということなんですよ。
人を人と見ず、目の前の数字を追っていくと、いつのまにかダークパターンの仕掛けにはまってしまうということなんですね。…
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