こうして「やりがい搾取」は生まれる #166
あなたのやる気を高めるのは「お金」か「やりがい」か?
ボランティアが無償なのにプロ並みに頑張れるのはなぜ? そして、中途半端な報酬が逆効果になる驚きの心理とは?
仕事や日常に潜む「やりがい搾取」の巧妙な手口を暴き、さらにこの社会規範の力を応用したずる賢いマーケティング戦略まで。
混ぜると危険な市場規範と社会規範、でも賢く混ぜるとたまに凄い化学反応が発生するので、取り扱いには要注意です!
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おはようございます。人間広告者、今日も元気に回転します。本日引き続き、混ぜると危険な社会規範と市場規範の話をしていきます。はい。直子さん復讐ですが、それぞれどんな概念でしたか?市場規範はビジネスとして対価が発生するべきもの。はい、社会規範はまあ人間関係において。上等。真心で執り行われるもの。そういうことですね。そういうことです。はい。隣の家からきゅうりをもらったからといって、それを 500円で買ってしまっていけないわけですね。
はいはい。クッキーでお返しをしましょうということでした。では今日のお話。続きまして、社会規範と市場規範って、どっちの方が強いモチベーションになるのかという。話で。すまず予想しましょう。予想通りに不合理なのでね。予想しましょ。う社会規範。そうなんです。だから怖いんです。はい。今回はこの本の著者による実験から始めますね。はい、学生に簡単なテストを行いました。内容はテキストの中のキーワードをドラッグアンドペーストするだけという単純作業です。
で、報酬は三条件一つは無償、つまりボランティア 2つ目、ごく少額十セント。で、3つ目は妥当な額数ドル。まあ、普通のアルバイト量ですね。結果、最も意欲が低かったのはどれでしょうか?二番目。はい、そうです。少額のグループですね。これはなんとなくわかりますよね。市場規範に組み込まれた上で、自分の労働価値を安く見積もられたわけですから、そうなりますよね。問題は無償グループと妥当な金額グループどっちの方がモチベーションが?
高かったでしょうか?元の会話をベースにすると、無償グループの方が高かったですよ。ね、はい。と言いたいところなんですが、結論から言うと全くの合格でした。へえ。はい。さすがにこれは社会規範が上回るのはちょっと難しいですよね。それは、発注者との関係性ってことです。かはい、そうです。合格なんですよ。でもこれ、すごくないですか?数ドルもらうのと全くもらわないのが同じモチベーションになる。うん。すごいことですよね、これ、無償は協力しているというやりがい。
つまり社会規範で頑張れるわけですよ。妥当な額は市場規範として自分の労働価値が見積もられているから納得して働けるわけですね。この点が重要です。例えば、直近では能登半島の大地震のボランティアがありましたよね。はい、これ、無償だからこそ有償レベルのモチベーションがあるわけですよ。かつ、仕事の質がとにかく高い。うん。対価として得られるものが、その当人の価値観では金額以上のものと定義されるわけですよ。ああ、そうかも。
うん。例えば、誰か一人でも救うということ、誰かのために行動したということ、さらにその行動が自分の歴史に刻まれるということ、その体験を誰かに話すことができるということ。まあ、ちょっと後半の方は少し偽善っぽいことも言いましたけども、それも含めてボランティアというのは。無償で有効に機能してるわけですよね。うん。自分の歴史に刻まれるって、いい言葉ですね。いい言葉でしょう。でも重要じゃないですか。はい。あの時、自分はボランティアをして人を救ったっていうのは、自分の人生においてポジティブな励みになりますよね。
はい。で、中途半端な金額は、自分の労働価値は、その程度と判定された感覚を生んで、やる気を下げちゃうと。はい。だから社会規範に中途半端に市場規範を持ち込むのはご法度です。うん、だから直子さんがご実家の。飲食店で 2時間働いてごめんごめん、お駄賃って言って 300円もらったら切れますか?いや、でもそんな感じですよ。そんな感じですか?切れてください。はい。で、このロジックは日常にも直結するんですよ。友人の引っ越しを完全無償で手伝うのは、友情とか助け合いを前提にしてるからモチベーションが得られるわけですよね。
でも、いやいやいや、ありがとうっつって、交通費としてワンコインだけ渡すは逆効果になりがちですよ。うんうん。これは社会規範と市場規範の中途半端な今後になるわけですよ。これは双方の良さを打ち消してしまいますね。で、この場合の正解は、機会があれば相手の引っ越しの手伝いをすればいいわ。けです。ああ、等価交換。そういうことです。はい。で、この社会規範と使用規範、いろんな事例を検討していくと、社会規範というものこそ、不安定や軋轢を無原因になっている気がしませんか?
うん。そうですね。だ。ったらいっそうのこと。この世にある取引はすべて市場規範にしてしまえばスッキリするんじゃないだろうか。境界線前回の話の運動会の PTA のみたいな、そういう境界線みたいな考え方もなくなって、揉め事も少なる気がしませんか?でも、ちょっと暖かさがなくなりますよね。そうですね。でも、暖かさを残すせいで軋轢も生まれてしまう。暖かさと引き換えに軋轢も消しましょう。どうでしょうか、そんな世の。
中、本当にそう思ってますか?私はそんな世の中来るんじゃないかな?と思ってません。おお。はい。なぜなら、物理的に不可能だからです。なんと。答えはノーなんです。それでは社会が破綻してしまうんで。す、いや。そうですよね。はい。社会規範っていうのは、言い換えれば無償の奉仕ですよね。この世の中の取引には、市場規範化されているものよりも、社会規範の取引の方が圧倒的に量が多くないですか?なんか特に日本はそうだと思いま。
すあ、そう思いますか?うん。まあ、そうかもしれないですね。なんかよく海外に行くとその掃除する人がいるんだから、その人の仕事を奪うなみたいな。言い方したりするじゃないですか。でも日本人はもう。刻み込まれた綺麗にしておくのである。見えに見えない第三者のためにみたいなので、ちょっと自分のね、使った後とか綺麗にしちゃったりするじゃないですか。おっしゃる通りです。なんか日。本人はそういう意識がより強いのかなって思いま。
す、面白いですね。っていうことは、その社会規範の量が多いわけですよね。それをすべて市場規範化してしまうっていうことは、めちゃめちゃ高コストの国が出来上がっちゃうんですよ。そう。例えば道を掃除する人とか。雇わなきゃいけなくなってしまう。まさに。あっという間に格差社会が、さらに格差社会として広がってしまうんですよ。なるほど。言。い方を変えれば、僕らの社会は無償の行為の力で回っているということになります。
例えば。倒れている人に救急車を呼ぶ外国人旅行者に道案内をする地域のお祭りに準備段階から参加する緑のおばさん活動など子どもの見守り運動をする前述の災害時のボランティア、夫婦の家事の分担これらに根付けした取引をする人はほとんどいないですよ。ね。いないです。これらは助け合いという社会規範の考え方が当たり前のように適用されているので、市場規範が持ち込まれる余地がありません。はい。つまり、社会はこのように善意の行為によって回ってると。
救いがある話ですね。うん、市場規範だけで回せているような社会は一つもないと言っていいでしょう。うん、会社の中だってそうですよね。一つ一つ値付けしてますか?あ、ボールペン落ちたよ。拾ってあげる。200円ね。なんだ、その殺伐とした社会はそ。うなると、もはや本当コミュニケーションが必要なくなりますもんね。そう。ええ、拾ってあげる。ありがとうはないじゃないですか。もう、うん、でも 200円でも。なんか、そこにつけられた値段を払っておしまいじゃないですか。
ビジネスとして完了。でも、レストラン行ってもごちそうさまとかありがとうとか言うから感謝することと、市場か社会かっていうのはあんま関係。ないかも。そうなのかな?なるほ。どああ、それは人によるかも。僕はそう、うん、僕はそうです。プロのカメラマンが運動会に来て写真撮ってくれても最後。ありがとうござい。ました。まあ、もちろんそれはそうですけど。うん、もちろんね、お金のある人は、こういう社会規範になるものに資金を投下して支えることができますよね。
はい。例えば、お祭りの時に氏子が資金を拠出したりしますね。奉納みたいな形でですが、それは市場規範というよりは寄付ですよね。うん、ビジネスモデルとしては成立しないですよね。当たり前ですから、リターンがあるわけではないと。で、社会規範においても資金が必要な場合は、持てる者の寄付で回していくっていうことが前提にな。るわけですよ。はい。ただ、昨今では変化もあります。社会規範だったものがあまりにも負担が大きいので、市場規範化させて市場を作っているという例ですね。
うん、例えば家事とか育児です。まあ、共働きの夫婦も多いですよね。はいはい。で、そうなると、これは必ずしも社会規範に閉じ込めておくべきものではなくなってますよね。昨今は。うん。そして市場規範としての値付けができるようになっています。はい、外注サービスも増えていますはい。で、もちろん社会規範だったものが市場規範化すれば、今まで必要なかった予算が必要になるわけですよ。うん、だからこれはパワーカップルしかできないかもしれない。
で、一方でお金のやり取りによって取引が可視化されますよね。つまり、社会規範だったものが市場規範に引っ張り出されて、お金のやり取りが可視化されるので、日本の GDP には少し貢献するんですよう。ん。面白いですよ。ね。で、次介護、はい。かつて家族が担っていた介護の多くは、むしろ社会規範から市場規範引っ張り出せって圧力が今高いですよね。で、社会規範から市場規範へのスイッチしたものっていうのは、公共性の性格が強くなっちゃうんですよ。
うん、当たり前ですよね。はい、もともとは助け合いだったものに根付きをするっていう話なんで、需要の有無とは関係なく、費用が低く抑えられてしまうんですよ。はい、介護とか。看護とか、どうしても費用を低めないですか?うん。問題になってますもんね。そう。これ公的に費用を低く抑える圧力があるからです。でも、本当やめれないじゃないですか。介護とかって。もう始めたら、うんって思うと負担はもう大きいんですけどね。そうなんです。
で、見合ってないですよ。いろんなことがずれているというか。うん。ちょうどいいところが。お互いにないです。よね。これ本当残念なんですよ。まあ、高くなったらなったで、じゃあ社会規範に戻して、私自分でやるからになっちゃう可能性もあるし、もうここ、非常に難しい案内はい、です。で、この話のクライマックスにいよいよ突入していくんですけども、先ほど市場規範における報酬と無償のやりがいは同じぐらい強いという話をしましたが、本当?
とちょっと疑ってませんか?疑ってません。疑ってません。嘘です。疑っ。て、くだ。さ。い疑いましょうね。実は、我々が生活の中で大変お世話になっているイノベーションの中には、はい、社会規範のルールの中で開発されたものも多いんですよ。ほううん。その代表例が家電とか自動車などによく使われていることで知られている OS なんですが。はい、リナックスという OS なんですね。初めて耳にしました。まあ。これ、OS なんで。
Windows とか iOS とかと同じ分類ですね。Linux っていう OS があります。ただ、パソコンに使われるものではありません。はい、家電に使われたりします。テレビとか、はい、オーディオとかにも。はい。Linux はその開発思想からして、社会規範を利用しているものなんですよ。つまり開発者がですね、クローズドな環境ではなく、オープンソース上でプログラムを公開したんです。で、そうすると、それをもっとよく改良したいと思うエンジニアが集まって、無償で改良を始めるんですよ。
で、彼らは給料とか名声が欲しいわけじゃないんです。純粋に自分のスキルを使って、より良いものを作りたい、素晴らしい、貢献したい、あるいは楽しみたいとか、あるいは承認欲求が欲しい。まあ、これ 1種のやりがい、内側から起こる衝動に突き動かされているというわけですよ。はい。しかし、無償の力は前日通りめちゃめちゃ強いってことですね。はい。誰かがアイデアを出せば、その実現のためにソースコードをいじる人がいる。
また、誰かがこういうプロダクトが必要だと言えば、それに応えてまたプログラムをいじる人がいる。うん。その繰り返しによって、今やリナックスは世界的なオーエスコアになってるんですよ。はい。でも、それってマネタイズしてない?してないんです。はい。で、もちろんパソコンやスマホの世界はウィンドウズとかアイオーエスが支配的ですけれども、実はですよ、あのアンドロイドの基盤にはリナックスのカーネルというのが使われてるんです。
まあ、カーネルというのはソフトとハード橋渡しするプログラムなんですけれども。はいはい。アンドロイドの基盤になってるんですよ。で、さらにサーバーとかネット機器、家電、車載システムはリナックスな大勢を占めています。で、極めて汎用性が高いで改良がしやすいという側面もありますし、何よりも使用に関して無償ということが効いているわけですね。で、これの正反対が先ほど言ったウインドウズです。はい。これは優秀な社員を高額で採用して、クローズな研究環境で開発して、有償で販売して売り上げを上げるというモデルです。
完璧な市場規範で作られた OS なりますよね。でも、どっちが良い悪いではないわけですよ。無償でも有償でも、つまり市場規範でも社会規範でも、同じようにイノベーションは起こそうと思えば起こせるんだという、とても良い事例なんですよ。しかし、この社会規範のパワーが負の力を生むことがあるわけです。それが PTA はい、やりがい搾取という問題です。はい。PTA もやりがい搾取かも。ああダメだ。そんなこと言う。
もう P が入ります。今はい、P が入っても PTA が消えない。あ、どうすればいいんだこれは。PTA はい、まあいいです。お聞いていきましょうはい。ちなみにやりがい搾取されたことはありますか?仕事してたら、ありますよ。ね。ありますよね。でも、仕事してたらなんで社会規範なのかな?仕事してたら社会規範じゃないでしょう。市場規範に。しなさいよ。その市場規範の中にある。やりがい搾取ってあるじゃないですか。
あ。それが、やりがい搾取です。は。い、僕はね、明確に覚えてるんですよ。まだ。そんな市場規範などという言葉、あるいはビジネスなんてことを知らなかった。うぶな大学生の時にはい、塾の講師のアルバイトをしたんですけど。はい。いや、ひさしくんもね、社会人としての勉強した方がいいからねみたいな理由で。はい、入塾テストみたいなものの管理とか。講師を集めてのイベントとかに無償で駆り出されてたんですよ。冷静に考えたら、それも時給が発生すべきじゃないですか。
本来うんで、直子さんがおっしゃった通り、やりがい搾取をされたことのないビジネスマンなんていないでしょう。というよりも、気づかないうちに搾取されているものじゃないですか。いや、本当そうですよね。はい。なぜならば、先ほどのリラックスではないですけれども、本人はやりたくてやってるという状態になっていることが多いからですよ。ちょっと一過言もありますけど。結果そうですね。まあ、一過言あっていいでしょう。だから、やりがい搾取はクリエイティブな業界で起こりやすい。
ああ、そうなんだ。はい。例えばアニメの制作現場は結構ブラックとか聞いたことないですか?あるいは、これはゲーム制作会社とかデザインファーム全般に言えます。もっといいものにしたいと自分が思っちゃうから、給料の範疇超えて頑張っちゃう。もう家に帰ったんだけど、あれ、もうちょっとこう変えればもっと良くなるのにと思って、家のマックをまた起動させてデザインを良くしてしまう。自分がもっとやりたがっている。そういう感覚です。
なるほど。う。んでも実はそのモチベーションに経営者は当然つけ込んでるわけですよ。はい。市場規範であるビジネスに社会規範が混ざってくるのを経営者待ってます。その方が人件費を安く抑えられるのだから当然ですよね。うん、あるいは善意や責任が伴う現場でも搾取は起きやすいんですよ。そうですよね。例えばこの前言った介護とか保育園の現場はいって。言ってみれば、人の命を預かっているわけじゃないですか。ということは、給料よりも大事にしなければいけないものがあるという前提がありますよね。
だから、これはもはや市場規範に意図的に社会規範を混ぜてきてますよ。なるほど。はい。あなたもうちょっとああしなきゃいけないんじゃないの?あと一時間、あの人に付き合ってあげなきゃいけないんじゃないの?そんなの時給に関係なく言ってきますよね。じゃあ、いわゆるジム系やホワイトカラー系ではやりがい搾取が起きないのか?起きますよ。こんなことは決してありませんよね。そうでなかったら、働き方改革なんて起きませんよね。
絶対ね。なんなら。経営者だけじゃなく。て。チ。ームワークは全部あるんじゃないですか?あ、なんか怖いこと言いそ。ういやいやいやいや、なんか。チームとしての成果物に求められるものが、他の人の業務でも足りないと思ったら、そこに走ったりするじゃないです。かはい、はいはいはい。はい。っていう時に、知らない間にそれを一度やると、あの人がやるものって勝手にポジショニングされて、これ私やることなんだっけ?本来?みたいな悩みって浮かんできたりしますよね。
それでも仕事の範疇だったら、それは市場ケアの中でしょう。あ、そうです。かはい。例えばわかんないけど僕が。パワーポイントがめちゃくちゃ作るのが早くてうまい。だからいつも僕に発注が来ると、パワーポイントでもそれは仕事の範疇になるでしょう。断らない限りは、これはやりがい搾取とは言えないでし。ょういうところじゃないか。もあ。違うところ。はい。なんか例えば、ごめん、ちょっと今日休むからこの人に連絡しておいて。
で、他の部署の人の代わりに、例えばクリエイティブのフィードバックとかプロダクションさんに連絡するとするじゃないですか。本来はクリエイティブの人からやってもらうべきことでも、それの実績をもとにそのプロダクションに連絡するのは、常にその人みたいなことになっちゃったりとかしません?それも市場規範じゃないです。かあ。本当ですか。うん。でもなんか役割ってがあってのチームじゃないですか。本来期待されるべき。役割があることとか、やらなきゃいけないこととかと、市場規範と社会規範は別じゃないですか。
というのは、ナオコさんはそれをやることによって、お給料をいずれにしろもらってるんだから、市場規範の範疇に収まっちゃうんですよ、それは。だからそれは市場規範の中だけど、自分の役割じゃないからあなたがやってっていうふうに押し返すべきなんですよ、本来は。それは社会規範とはなるほど言わないですね。難しいですね。難しいですか?じゃあ、ちょっと説明しますよ。はいはい。このホワイトカラーのやりがい搾取というのは、巧妙というよりは、経営者とか取引先が意図的に搾取の構造を強制してくるパターンが多いです。
はいはい。例えばこんな言葉、聞いたことないですか?我が社は従業員、アルバイトに至るまで全員、経営者目線で仕事をしよう。うん。これってつまり、お前ら PL とかビーエスを意識して行動せよってことですよ。もう究極の知らんがなですよね。…
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